面積分の難問
面積分の難問と噂の、笠原晧司先生の『微分積分学』(サイエンス社)、p.297の問2を解きました。忘れないうちにメモを残しておきます。もう二度とやることはない気もしますが。
PCとかiPadとか、画面の大きい媒体で見ることをお勧めします(式が長いので)。
問題
を求めよ.
ただし, は の表面とする.
解答
求める面積分を としておく. Gauss-Greenの公式より,
第1項を , 第2項を , 第3項を とすると, Fubiniの定理によって であり(ここの事情は入り組んでいるからこれ以上触れない), 結局 と を求めればよいわけである. まず を求める.
段階を分けて進もう.
第2項を求めるために とおく. と置換すると, であって,
分子を展開し, 変形して,
ゆえに,
そこで, とおく. 部分分数分解をするために係数決定を行う:
分母を払って係数を比較すると を得る. よって,
ここで を求めておく.
とおくと, 上図から
これで がわかったわけである. にもどろう.
ゆえに であるから,
ふう。
第2項を求めるために とおく. 置換 によってすすもう:
これで がわかった. ゆえに,
これは複雑ではないが, で広義積分であって,
これで が求められる:
次に を求めるのだが, のほうが が掛かっていて積分しやすい:
第1項. とおく. で置換すると, ゆえ で,
だから
第2項. とおく. で置換すると, ゆえ で,
だから
したがって,
なんと によって, これは に等しい. したがって, 結局 は の3倍ということになって,
note
もっと簡単な方法がありそう。とくに を示すところとかは、計算しなくても分かることなのだと思うんですが… わかる人がいたら教えてください。
(2019/10/17追記) よく考えたら, 一番最初の で線型性と対称性から つまり だけ求めればよかったんですね. 一晩ぐっすり寝たら解決しました.
あと, どうやら のようなので, Greenの公式をうまく使えばもっと簡単にできるかもしれません. わかる人いれば教えて欲しいです.