log2の値を求める
今日は の話。だいたいどれほどの値なのか調べてみましょう。
台形近似
東大の過去問にこんな問があります:
を満たす実数 に対し, 次を示せ.
を利用して, を示せ。ただし, は の自然対数を表す.
この問題のキモはもちろん で、 の凸性を利用して、2つの台形の面積で挟んで示します:
そして では、これを2箇所に適用して結論を得ます。
この近似で を示せるのだから、もっと刻んでみたら、もっと精度の良くなることが見込めます。 個に分けてみましょう。
の式で、 を 、 を でかきかえると、
が得られます。 で和をとれば、
これをベースに、たとえば でそれぞれ計算してみるとおおよそ次のようになります:
Taylor公式
いったん台形近似の話は終わりにして、つぎはTaylor公式を考えてみます。
等比級数の公式:
で、 とすれば、
について、 から まで積分すれば、
実は のとき、 を示すことができます。あまり難しくはないのですが、話が冗長になるので、ここではこれを認めることにすると、
が得られますから、とくに とすれば、
ただこの無限級数は収束が遅いことで有名です。100項加え続けても、だいたい 程度で、あまり役に立ちません。
それは 式が が非常に小さいときに収束が早くなることに起因していて、下のグラフをみるとわかりやすいです:
そこで、
であることを考え、 で としてみると、
これは先の図から見ても、一般項が のオーダーで収束することからも、 に比べてかなり収束の速い級数であることが分かります。実際、100項ほど計算すれば、おおよそ を得ますが、これは小数第15位まで正しい数値なので、かなり精度が高いです。
このように少し工夫を凝らすだけで、得られる精度がケタ違いになるところがメチャおもろいですね。他には、
によって
とか。
とりあえずおしまい。