Setsのcoequalizer (Awodey, 3.5.11)
Reference. Awodey, S. (2010) Category Theory, Oxford: Oxford University Press, 2nd ed. 2011.
概要
集合 から生成する最小の同値関係を とかく. のcoequalizerが, とするとき であることを示せ.
を包む最小の同値関係
問にはさらに, この を
と定めよ, とある. これは確かに, を包む 上の同値関係であって, かつそのなかで最小の集合である. このことを示しておく.
同値関係であること.
反射律. 任意に をとる. いま任意に, を包む 上の同値関係 をとると, の反射律から となるから .
対称律. をとれば, 任意の について となって, の対称律から となる. は任意だったから .
推移律. 対称律と同様.
を包むこと. とすれば, 任意の について より . は任意だったから .
最小であること. 任意に をとれば, の定義から .
よって示せた. しかしこの定義は今回の問で使いにくいと思うので, より構造の分かりやすいやり方でこの「最小の同値関係」を定めるのがよいだろう. すなわち, , かつ
として とする.
同値関係であること.
反射律. 任意に をとれば .
対称律. をとれば, ある があって となるので, より.
推移律. 対称律と同様.
を包むこと. 故.
最小であること. いま任意に を包む 上の同値関係 をとるとき, 任意の について
となることを示せば十分. 帰納法で示す. なら明らか. をとるとき,
が の由来なら で, の対称律から .
が由来としても同様.
よって示せた. なお, と は同じ集合となる(最小性から, は よりも小さいので , 逆も同様). 以下, を とかく.
(ところで,
として としてもよい. Why?)