回転座標系についてのtips
目標。いわゆるコリオリの力や遠心力などの慣性力の導出はわりに面倒だと認識していたが、考えている 平面を複素平面と同一視するとかなり見通しがよくなることを知った。これをメモしておく。
図のように、慣性系 に対して、 軸の周りで、一定の角速度 で回転する座標系 をとる。また、この空間上の質量 の質点 には力 が働いており、 で測った座標をそれぞれ 、 で測った座標をそれぞれ とする。 は偏角である。
以下、慣性系 でのEoM: を回る座標系 の文字で書き換えていく。ちなみに、これを愚直に計算していくとかなり面倒になる。これについては、どこか適当なサイトや、教科書および演習書を見ればその煩雑さがわかる。
ところが、数学から見れば 平面と複素平面は同型で、Eulerの公式: を用いると見通しがかなりよくなる。このことを示そう。
平面の基底として自然基底 を、 平面の基底として をとると、与条件から
が成立つ。実はこの式だけで、 が回転しているいまの状況をすべて表しきれている。
で2回微分すれば、
となる。
一方、力の成分についても、先の式から
であるから、従って、 でのEoM:
へ、(1)、(2)式を代入して、
から
をうる。あとは実部と虚部を比較すれば の文字でかけたEoMが得られる。
角速度が一定でない、一般の場合の式も導出できる:
時刻 での偏角を とすると、 式は、
となるから、
あとは先と同様。ここに出てくる慣性力 をEuler力という。一定の角速度の場合は だから寄与しない。
以上から、回転座標系については 式が本質的であって、Eulerの公式を利用すれば見通しよく計算ができることがわかった。