メモ(準同型定理)
Reference: 雪江明彦『代数学2 環と体とガロア理論』日本評論社, 2010.
定理2.12.11の証明で、最後の だけ何でそうなるのかずっと分からなくて、それはもうずっと考えていたんですが、単純に線形代数の話だったので、戒めとしてメモをしておきます。
(補題)体 上のベクトル空間 について, とすれば, 加群の準同型(つまり線形写像) について, が全射であることと単射であることは同値である.
(証明) の基底を とすれば,
が全射
が 上で1次独立
が単射. (終)
(準同型の分解) を可換環とする. を 加群, を の部分 加群とする. 加群の準同型 , 自然な準同型 について,
ある準同型 が存在して となることと, であることは同値である. (証明略)
(系)上の状況で, が単射であることと, であることは同値である.
(証明) を単射とする. をとれば となるので より .
逆に とする. ならば すなわち なので, で は単射. (終)
以上から
すげえ時間喰われたー。