二次曲面の接平面
目標。二次曲面
の接平面の方程式を求める。
準備
道具を揃えておこうと思う。まず、 を の実変数ベクトル値関数として
証明はやさしい。
また、 は定数行列で, とするとき
とくに
二次曲面の接平面
は対称行列: で、 とするとき
なる の集合を二次曲面という。上式は標準内積を用いて、
とかけることに注意する。
先に方針を述べておく。求める での(超)接平面の方程式は、 を について解いた を用いて
とかける。そこでまずは の での偏導値たちを求める。
さて、まず、われわれはこの式を について解きたいのだが、 を で偏微分すると、 式を用いて
ここで第2項について、 は対称行列だから
となる。もどして整理すれば
陰関数定理によれば、、すなわち
であれば の での十分近傍 で について解くことができる。つまり、ある が存在して となる。
しかして、 は で微分可能であるから も で微分可能である。
そこで、 として、 たちによる偏導値 をみる。 が恒等的に に等しいことに注意すれば、
について解けば
をうる。 式へ代入して、
移行して分母を払えば
内積を使えば
整理して
ここで、下線部は つまり に等しいから
となる。 式のもとでは、これが求める接平面の式に他ならない。
One more thing...
式を、もう少し調べてみよう。 式から、
ただし最後の変形は が 式を満たすことを用いている。そして、 は対称行列だから
となる。
実例に移ろう。
ex.
の での接平面の方程式。
式によれば、
同じ文字どうしの 次の項は ひとつを に、
異なる文字どうしの 次の項は、半分にして、片方ずつを に、
次の項は を に、
それぞれ取り替えればよいから
整理して
まるで平面の式が5個あるみたい。
さて、少なくとも 式を満たしていれば、 式は の接平面であるといえる。すなわち、 が
上の点でなければ、 式は の接平面である。
下図はQuick Graphで描いた 式の概形である。2つの交点では「接する平面」を描こうとすると、 平面に垂直になることが直感的に分かるだろう。